巻き爪

巻き爪の病気と症状について

 巻き爪(まきづめ)は陥入爪(かんにゅうそう/かんにゅうづめ)とよばれることもあり、爪がそのまわりの皮膚の中に陥入して、炎症をおこします。先細りの靴を履いたり、深爪、小さい外傷がきっかけで発症することが多く、足の親指(母趾)に多いのが特徴です。

 くりかえし足指を地面に押しつけていると爪が皮膚の下に陥入し、はじめは炎症だけですが、しだいに化膿したり浸出液が出て、肉芽と呼ばれる盛り上がりができます(下図/巻き爪の断面)。

巻き爪の断面図

巻き爪の予防と治療について

 軽い炎症だけの場合は、毎日の消毒、抗生物質の内服、あるいは幅広の靴を履くことによって症状が改善します。
 しかし、明らかに爪の角や爪のとげが皮膚に食い込んでいる場合は、充分消毒したうえで、それらをはさみや特殊な爪切りで切除します。
 うみがたまってきたり、肉芽が盛り上がっている場合は、局所麻酔をして切開し、うみをだしたり肉芽を切りのぞくことも必要で、その後、爪が皮膚に食い込んでいたところにガーゼを詰めて、しばらく処置を続けなければなりません。
 最近では、超弾性ワイヤーを使用して、痛みを伴わない巻き爪の矯正法もおこなっています。(図1)

図1
図1

 長く爪を伸ばして(皮膚から出る位まで出して)来院していただければ、その日のうちに、ワイヤーを爪に挿入して治療を開始することができます。
 ワイヤーを挿入して1~4週間で、曲がった爪は矯正され、痛みも軽くなってきます。再発はあり得ますが、また簡単にワイヤーは挿入できます。
 ワイヤーは、1~2ヶ月で抜去するのがよいでしょう。治療開始直後から入浴もできます。
 しかし、それでも再発を繰り返す場合や、爪の湾曲が強くて、どうしても食い込んでくる場合には、手術をします。
 手術は、曲がった爪が作られる根元の部分を骨の上の層から縦に切除したり(図2)、抜爪したりします。

超弾性ワイヤー
図2