内反足

内反足について

 内反足(ないはんそく)は1000の出生に1例の割合で発症するとされる先天性疾患で、片側だけと、両側の発生ともほぼ同数で、男子の発生が多く、男女比は2対1です。生まれた ときから、足とかかとが内向きに曲がって、足首は足裏の方を向いたままで固まって、重症になればなるほど矯正が難しくなります。

 昔は胎内の足の位置が悪くて生じるとの説が信じられていましたが、いまは、筋肉、腱、軟骨の傷害が原因とする説が有力で、環境因子や遺伝因子その他が少しずつ関与して発症しているようです。

内反足
BEFORE:内反足の変形
AFTER:ポンセッティ法によるギプス矯正と装具治療

内反足の治療について

 内反足は放っておくとしだいに硬くなるので、できるだけ早期に治療を始めることが重要です。当院ではポンセッティ法に準じて1週間に1~2回の頻度で、 石膏(せっこう)のギプスで少しずつ矯正します。1~2ヶ月間ギプスをして、矯正ができたら今度は、矯正用の装具にかえます。装具は、はじめは24時間装着しますが、しだいに夜間だけでよくなります。それでも変形の治りがよくないときには、生後6ヶ月ごろから、硬いところを緩める手術をすることもありま す。

 重症例では1歳位までに手術するのが医学的に常識とされてきました。確かに手術方法の改善により術後成績は飛躍的に向上し、後遺症が残ることも次第に少なくなりつつあるのが現状です。

 しかしそれでも手術となると両親の負担も増大し、術後の筋力の低下、下腿の萎縮・創の瘢痕化などが生じ、それ以上に問題はすぐ手術するのが常識であるため充分で適切な保存的な治療がされず安易に手術が行われることです。

 内反足治療は、経験ある整形外科医による保存的治療、それに付け加える最小の手術が求められています。
 福原整形外科ではポンセッティ法によるギプス矯正と装具治療を徹底的に行うことにより、ほとんどの重症例が手術の必要がなく治っていくまでに治療成績が向上してきています。

 装具は、変形がなくなればもう、装着する必要はありませんが、成長期に気がつかないうちに、変形が再発することもあるので成長が終わるまで常に足の動きと変形を注意深く観察し、足のマッサージやリハビリを続ける必要があります。

 先天性外反足・垂直距骨・内転足・屈趾症などのその他の小児先天性足部疾患の治療も専門的に行っています。

当院の小児の足外来の様子

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