外反母趾の病気と症状について
足の親指(母趾)の付け根の間接(MP関節)が小指(第5趾)側に向いてしまう変形を外反母趾(がいはんぼし)といい、同時に開帳足とよばれる横幅の広い足になります。痛みはMP関節の内側や背側、第2趾、第3趾のMP関節足底側などに主に生じます。
発生頻度は、女性9に対して男性は1程度で、圧倒的に女性に多く発症します。これは、若い女性がファッション性を重視した前足部の極端に狭いハイヒールなどを履くことが多いからです。
もちろん、先天的に外反母趾の傾向がある場合はハイヒールによって顕著に変形が進み、この種の靴を履いていないのに痛みがでる人もいます。原因はほかに も、慢性関節リウマチや末梢神経損傷、脊髄損傷の後遺症としてでることがあります。また、第2趾に対して母趾が長い、エジプト型の足でも外反母趾になりや すいといわれています。
外反母趾の予防と治療について
もし外反母趾が生じていたり、痛みがでてもある程度までなら簡単な予防法があります。まず、成長期の児童の場合、外反母趾は先天的要素が強いわけです が、それでもできるだけ素足で生活し、足趾(足の指)を意識して使うようにすると予防効果があります。足趾を思いっきり曲げたり反らしたり広げたりする体 操や、床をしっかりつかむように意識して歩いたり、凹凸のある地面を歩く、青竹踏みをするなどが有効です。
成人になってからの進行した外反母趾はハイヒールのような、先細で足を圧迫するような靴を履かないようにすることが大事で、母趾を自分の指で内側にゆっ くりストレッチし、扁平になった横アーチ(足趾の1~5趾のMP関節で形成されるアーチ)を両手でもみほぐし柔らかくすると効果的です。
先で述べた予防法をおこないつつ、さまざまな種類の装具や足底板をまず作ります。市販の第1趾と2趾の間にはさむゴム製の簡単な装具から、足底板と変形を矯正するさまざまなバンドをつけた複雑な装具まであり、症状に応じて作ります。
それでも痛みがとれなかったり、どうしても足底板が履けないという人には、腱や靱帯をゆるめたり骨を矯正する手術をします。
外反母趾は、曲がった角度が30度程度なら、装具で治療可能な場合が多いのでご相談ください。