扁平足

扁平足の病気と症状について

 扁平足(へんぺいそく)は、英語で「flat foot」といい、文字どおり足の土踏まずが消えて平べったくなった足のことです。うしろから見るとかかとが外へ曲がって います。この扁平足が長く続くと、足の痛みがでたり、長時間歩くことができなくなったり、足底の皮膚が硬くなったりします。

 しかし、一口に扁平足といっても生まれたときから足が外に曲がっている先天性外反扁平足から、幼・小児期の扁平足、成人の扁平足ではそれぞれの成因、治療の性格が違います。

 先天性扁平足はその多くの変形が、1歳くらいまでに改善し後遺症を残すのはごく少数で、幼・小児期の扁平足は発育と荷重に関係していますが、必ずしも痛 みや、歩行障害に結びつくものではなく、3~4歳には足の筋肉が発達して正常な足になるものがほとんどです。

 思春期以降も残る扁平足は、歩くときに足の痛みを訴えるようになり、足の変形が固まり、アキレス腱も少し短縮してきます。
高齢者では、後けい骨筋腱が機能不全をおこす扁平足が増えています。

 後けい骨筋腱は、足首の内側からアーチを支える腱です。肥満や使いすぎ、糖尿病、外傷などが原因でこの腱の機能不全が生じると、足アーチは破綻し、扁平足になってしまいます。

扁平足の治療について

 先天性外反扁平足や、幼・小児期の扁平足は自然に治ることが多く、変形を矯正するようなマッサージや裸足でしっかり歩かせて、足に合った適切な靴を履かせて様子を見ることが大切です。

 思春期以後も残る扁平足は自然治癒が難しく、足の硬くなったところの柔軟性を取り戻すためのリハビリや矯正用の足底板をつけることが必要です。 高齢者 の扁平足は歩行障害が強く、同様なリハビリや土踏まずを支え足アーチを保つ足底板をしっかりつけないと、歩きづらくなることもあります。それぞれの年代で これらの治療をしても、痛みや変形が治らず、傷害が強い場合は、手術で矯正する場合もあります。